痴漢被害についてのアンケート調査結果

痴漢被害についてのアンケート調査

痴漢被害についてのアンケートをとってきたよ!

リミナ

エル

今回は「痴漢被害についてのアンケート調査結果」を紹介するよ!

痴漢被害に対するアンケートの概要

痴漢被害については、ニュースや駅のポスターなどでも見ることがあると思います。また、電車内で実際に痴漢行為を目撃したり、身内や友人、あるいは自分自身が痴漢被害にあったりした経験がある人も多いでしょう。

痴漢行為は、法律上では「迷惑防止条例」または「強制わいせつ罪」の罪に問われる悪質な犯罪行為です。最近は、女性専用車両が普及したり、「痴漢冤罪」という言葉も広まってきたりしています。痴漢冤罪とは、女性に痴漢行為をしたと訴えられ、全く痴漢行為をしていない男性が逮捕されてしまうことです。

グループで犯人に仕立て上げ、示談金を狙う痴漢行為を利用した悪質な犯罪もあるようです。以前よりも、痴漢行為に対する社会全体の関心がより高まっているのは明白でしょう。しかし、これだけ関心が高まっているにも関わらず、痴漢被害の件数はなかなか減少していないようです。

平成27年度犯罪白書「迷惑防止条例違反の痴漢事犯の検挙件数・電車内における強制わいせつの認知件数の推移」によると平成18年から認知件数は、ほぼ横ばいになっています。女性専用車両の運行などがされたり、最近では埼京線などで電車内に防犯カメラが設置されたりするなど、犯罪抑制のための対策がされていますが、年間認知件数は、約3500件程度となっており、電車内だけでも毎日のように痴漢被害が発生してしまっているという悲しい現実があります。

今回、様々な年齢層の100人の女性にアンケート調査を行い、以下の5つの質問をしました。

  1. あなたの年齢は?
  2. あなたの職業は
  3. 痴漢の被害にあったことはありますか?
  4. 痴漢被害にあった際に犯人を捕まえましたか?
  5. 痴漢の被害にあった際に、弁護士への相談は行いましたか?

この5つの質問から得られたアンケート調査の中から痴漢被害との関連性があることを考察していきます。

回答者のみなさん、ありがとうございました!

リミナ

痴漢被害についてのアンケート調査結果

それでは、痴漢被害についてのアンケ―ト調査の結果や、結果からわかることについて説明していきたいと思います。

痴漢被害経験者の割合

痴漢被害者の割合
図1:痴漢被害経験者の割合

上の図1をご覧ください。図1は、100人の女性のうち、痴漢被害経験者の割合を示しています。ランダムに回答した女性の中で実に60%以上が痴漢被害の経験があると回答しています。5人のうち3人が痴漢被害を経験しているということになります。このことからも、痴漢犯罪は電車内などの公共交通機関などで頻発していることがわかります。

平成26年度の全体の痴漢認知件数3439件のうち、283件(8%)が電車内で発生しています。しかし、後述しますが、この件数はあくまで警察に届けられ、受理された件数です。実際には、痴漢被害を受けても被害届を出されなかったりするケースも多いのです。

被害に遭った回数の割合

痴漢被害にあった回数
図2:痴漢被害経験数の割合

次に、痴漢被害の回数についてみていきましょう。上のグラフをご覧ください。痴漢被害経験者の56%は2回~5回の痴漢被害を受けており、痴漢被害が1回のみの方と比べて1.7倍にもなっています。また、6回以上も被害に遭っている女性が11%もいました。

このことから、痴漢被害を一度受けると痴漢被害を繰り返し受けてしまうという事例が多くあることが分かります。通勤通学などで毎日同じ生活スタイルを送っていると、痴漢の加害者に狙われやすく、被害にあってしまう可能性が高くなると思われます。

性犯罪者は、一般的に常習性があることで知られています。世界各国では、刑務所を出所した後も引き続き監視をしている国もあるほどです。そのため、電車などの公共交通機関では積極的に女性専用車両などを利用するなどして、女性自身も犯罪被害にあわないための対策が必要になっているというのが現状だといえるでしょう。

年齢層と痴漢被害経験数

図3:年齢層と痴漢被害経験数表

上の表をご覧ください。ここでは、調査回答人数が多い20代~40代を比較して検討してみましょう。20代の27人の回答者のうち、63%が「痴漢被害経験はない」と回答しました。

30代では44人の回答者のうち39%、40代の21人の回答者のうちわずか10%程度と年齢層によってかなりの差が生じる結果となりました。40代の方々の90%近くは、痴漢被害の経験があるという結果です。年齢層が高くなっていくにつれて、生涯年数が増え、それだけ何らかの痴漢被害を経験しているという結果となりました。

また、今回は職業に関してもアンケートを取りましたが、痴漢被害との直接の関連性はありませんでした。

声を挙げることができない現状

ここまで見てきたように、女性の6割以上が痴漢被害を経験し、そのうち6割以上の女性が繰り返し犯罪被害に遭っています。しかし、先ほどのアンケートでは、犯人を捕まえることができた人は、たったの1%でした。また、アンケートに回答した全員が、弁護士に相談をしていないという結果でした。

このように、痴漢被害を受けても我慢して終わってしまうというケースがほとんどであるということです。回答者の7割近くが痴漢被害を受けているにも関わらず、何らかの行動ができた人はほとんどいませんでした。痴漢被害にあったほとんどの女性は、泣き寝入り状態であるということが分かりますので、先程紹介した「痴漢被害認知件数」は、氷山の一角ということがわかります。

なぜ被害に遭った女性は、犯人を検挙したり、弁護士に相談したりするなどの行動ができないのでしょうか。これには、被害者の感情的理由が考えられます。まず、突然の出来事にパニックに陥ってしまうということが考えられます。何の前触れもなく、いきなり他人に身体に接触をされると感情的に「恐怖」を覚えます。すると冷静な判断と行動ができなくなり、その場で身体が思うように動かなくなってしまいます。

痴漢被害は女性にとっては大変デリケートな問題です。友人や親族に相談しようとしても言い出せないのかもしれません。痴漢被害者は、精神的苦痛を味わうため、「嫌な記憶を自分の中から早く消したい」と思い、行動することをためらってしまうのかもしれません。痴漢被害は証拠が残りにくく、「犯人が特定できないので、どうせ解決しない」と思い、なかなか動くことができない場合もあります。また、警察に被害届を出したとしても「長時間聴取を受けるのが面倒」であったり、痴漢行為の詳細を語らなければいけなかったりなど精神的苦痛を自らさらに増やしてしまうことを懸念する場合もあります。

アンケート調査からも分かるように女性が生涯中に痴漢に遭ってしまう可能性はかなり高いですが、勇気を出して「痴漢被害に遭った。」と訴えても、昨今では、痴漢冤罪と思われてしまうのではないかという恐れもあるでしょう。もし、犯人が「自分はやっていない」と言ったらどうしようという不安がどうしても払拭できない方もいらっしゃるでしょう。

もしも痴漢被害に遭ったら

様々な理由がありましたが、痴漢被害にあったとしてもほとんどの女性が我慢してしまうということが分かります。「自分が我慢すればよい」と考えてしまうのかもしれません。それでは、万が一自分が痴漢被害に遭ったとき、どのようにすることができるのでしょうか。

もし、自分が痴漢被害に遭った場合、「自分にも何らかの落ち度があったのかもしれない」などと思い込まずに、痴漢の犯人の手をつかんで「痴漢です!」としっかりと主張しましょう。もし、被害に遭ってしまった場合には、まずは警察に被害届を出しましょう。警察への被害届は原則として被害者本人が提出することになっていますが、場合によってはご家族の方でも提出することは可能です。

電車内での痴漢対策グッズについてはこちらの関連記事で紹介していますので、参考にしてみてください。

痴漢対策グッズ痴漢への対策方法は?~電車内で使えるおすすめの痴漢対策グッズ

また、被害者が未成年者の場合には、ご両親の付き添いを求められる場合もあります。痴漢は、通常、迷惑防止条例違反などによって取り締まられますが、エスカレートした場合には、刑法の強制わいせつ罪が適用されるケースもあります。

しかし、警察は、刑事手続き(捜査・犯人検挙)などはしますが、加害者との民事的な示談や慰謝料の請求などは行いません。このような民事的解決を図る場合は、弁護士などに相談する必要があります。しかし、自分一人で弁護士のもとを訪れ、民事手続きをしようとするにはかなりの労力が求められ、大半のケースで泣き寝入りとなっているのが現状です。

まとめ

ここまで痴漢被害に関するアンケート調査の結果について紹介をしてきました。

痴漢被害を経験した女性が6割以上という結果に驚きを隠すことができません。そうした被害を経験しても、声を挙げることができていないということも今回のアンケート結果から分かります。もし、身近な人に悩んでいる人がいれば、相談に応じるのと同時に早めに法律の専門家に引き継げるようサポートすることが大切です。

痴漢行為は卑劣な「犯罪行為」です。このような悲しい犯罪が起こらない社会であるべきですが、現実には多くの痴漢事件が起こっています。万が一被害に遭ってしまったら一人で抱え込むのではなく、法律の専門家である弁護士に相談しましょう。この記事が、痴漢行為で悩んでいる人に少しでも役立つことを願っています。

痴漢の被害者はやっぱり多いんだなぁ…

リミナ