リミナ
エル
リミナ
エル
Contents
告訴や告発が受理されない場合がある?
刑事訴訟法の趣旨や判例などからすると、警察や検察には告訴・告発を受理する義務がありますので、正当な理由がない場合には、告訴・告発を拒否することはできないと考えられます。
しかし、実際の多くのケースでは、告訴状や告発状を警察・検察に提出したものの、理由をつけられて受理を断られてしまう場合、告訴・告発を受理しない正当な理由がないにもかかわらず、告訴状・告発状を正式には受理しないで「預かり」という形で保留されてしまう場合などがあります。
このように、受理を拒否されたり、預かりされたりした場合には、告訴・告発が正式に受理されたということにはなりません。
告訴状・告発状に記載されている内容が不明瞭であったり、犯罪事実・犯罪要件などが特定されていないなど、告訴状・告発状の内容に不十分な点があるような場合には、警察などが受理を拒否する正当な理由があることになります。そのため、告訴状・告発状の作成は、弁護士、司法書士、行政書士などの専門家に依頼すべきです。
告訴状・告訴状が受理拒否・預かりになった場合の対応は?
告訴や告訴が、受理拒否・預かりになった場合には、受理されたことにはならず、捜査なども進まない可能性が高くなってしまいます。それでは、告訴状・告発状が受理されなかった場合には、どのような対応ができるのでしょうか?
告訴・告発の受理義務を主張する
先程も説明したように、本来であれば、告訴・告発の受理を拒否する正当な理由がないにもかかわらず、捜査機関が告訴・告発の受理を拒否や回避することはできません。
しかし、受理が拒否されたり、警察や検察が告訴状・告発状を預かっているだけになったりすることもあり、これでは事前相談を行っているだけと同じということになります。
捜査機関の不当な正式受理の拒否に対しては、告訴・告発の受理義務があることなどをはっきり伝えることが重要になります。また、弁護士などの専門家に同席してもらうことも有効です。
証拠書類などを添付する
捜査機関が告訴・告発を受理したとしても、捜査機関が力を入れて捜査を行わなければ、証拠が十分収集されることは期待できません。
そうなると、告訴状・告発状が受理された場合でも、証拠が少なく不起訴処分で終わったりしてしまう可能性もあり、結局、告訴・告発した目的が達成されないことになってしまいます。
また、捜査機関が告訴状・告発状の受理を拒否したり、預かりという対応をしたりする理由としては、世の中には多数の事件があり全ての事件に力をいれることが難しい、という捜査機関の実情があります。
したがって、告訴状・告発状に陳述書、証拠などの資料を添付して、告訴・告発した側としても、その後の捜査がスムーズに進むような配慮をすべきでしょう。
告訴状・告発状の作成を専門家へ依頼する
告訴状・告発状の作成には、法律についての高度な専門知識が求められますので、要件事実・構成要件などについて熟知している法律の専門家に、告訴状・告発状の作成を依頼すべきでしょう。
専門家がつくった告訴状・告発状であれば、当然ですが、自分で作成した告訴状・告発状よりも受理の可能性は数段上がります。
また、告訴状や告発状の作成をする上で、証拠が足らないような場合には探偵への依頼なども有効な場合もあります。ただし、まずは弁護士、司法書士、行政書士などの法律の専門家への相談を行い、必要な証拠を絞っておくべきです。
告訴状・告発状の手数料と報酬・料金の相場は?リミナ
エル
受理されなかった場合の対応
- 告訴・告発の受理義務があることを伝えるなど、毅然とした対応を取る
- 証拠や陳述書などの添付資料を提出るなどして、捜査がスムーズに進むような配慮をする
- 専門家に依頼して、しっかりとした告訴状・告発状を作成する
告訴状・告発状に添付書類は必要?
陳述書・証拠を添付すると受理の可能性が上がる
告訴状・告発状を提出する場合、捜査機関が捜査を実行して証拠を収集すべきで、法律上では自分で証拠などを用意する必要はありません。しかし、告訴・告発をしようとする人は、その犯罪の内容についての何かを知っていたり、証拠などを持っていたりするはずです。
警察などの捜査機関は多くの事件を取り扱っており、犯罪の事実があるかどうかが明確ではなく、捜査の見通しが立たないような告訴を受理して、しっかりと捜査を行うことは難しいことです。
そこで、告訴・告発をするときに、知っていることや関係者や目撃者の発言などをまとめた陳述書、ビデオや写真などの証拠、事件についての関係図を記載したチャートなど、事件に合わせた添付書類が必要になります。
これらのような添付資料が全くないとなると、告訴・告発の根拠がかなり弱いと考えられてしまい、告訴状が受理されない可能性が高くなります。
つまり、陳述書や証拠などの書類は、告訴状・告発状に必ず添付しなければならないものではありませんが、現実的には、告訴を受理してもらうためには証拠などを添付することが重要になります。
リミナ
告訴状に添付書類が必要な場合
告訴状・告発状に、証拠書類などは必ず添付しなくてはならないものではないと言いましたが、告訴状には添付書類が必要となる場合があります。
それは、被害者以外が告訴をする場合です。代理人や被害者以外の告訴権者が告訴をするときには、委任状や告訴権があることを証明する書面を添付して、告訴状を提出しなければなりません。
犯罪捜査規範66条
被害者の委任による代理人から告訴を受ける場合には、委任状を差し出させなければならない。
2 被害者以外の告訴権者から告訴を受ける場合には、その資格を証する書面を差し出させなければならない。
3 被害者以外の告訴権者の委任による代理人から告訴を受ける場合には、前二項の書面をあわせ差し出させなければならない。
4 前三項の規定は、告訴の取消を受ける場合について準用する。
告訴状・告発状の添付書類
- 証拠書類を添付すると、告訴状・告発状が受理される可能性が上がる
- 被害者以外が告訴をする場合は、委任状などの添付書類が必要